弊社では、自動車メーカーの車両開発で鍛えられた技術力と、これまでのシミュレーター開発のノウハウを活用し、標準品からフルオーダーのドライビングシミュレーターまで、合理的なコストでご提供することが可能です。
開発の過程では、定量値を基に設計で機体の仕様・形状に落とし込みます。そのため、クラフトマンシップに基づいたものづくりプロセスの大部分を廃していることから、高機能・高品質な製品を、適正価格でご提供することが可能となっております。
株式会社トムス様との共同開発の例(オリジナルシミュレーター)
昨今、大変有難いことに自動車メーカー各社やサプライヤー様からのお仕事を多く頂戴しておりますが、その中で「導入済のモーションプラットフォームの運動を適正化したい」といったご相談をいただく機会が増えて参りました。弊社と致しましても、できる限り最善を尽くしてご提案・開発を行わせていただいております。しかし、機体の設計的な理由で、根本的な解決が難しいケースも多々御座います。
自動車メーカーのエンジニアといえども分業化されており、シャシー、特に足回りの開発経験が無い場合には、機体の選定に必要となる要素を判別することが難しい場合もあるかもしれません。
今回は、エンジニアに限らず、これからご導入を検討されている皆様に理想的なシミュレーション環境を構築していただくためにも、是非ご承知おきいただきたいポイントをご紹介させていただきます。
簡易型3DoFシミュレーター EXM3の開発データ
1.モーション対象について
考え方1:とにかく動けばいい
→シートのみを動かす、低コストなシステムも選択肢になります(Seat Mover)
考え方2:実車を模して動かしたい
→ステアリング・ペダルまで含め全て動作するシステムが推奨です。
2DoFの場合は重量部を固定軸で支えるためさほど大きなパワーは不要ですが、3DoF以上では全体が浮動するため、比較的大きなパワーが求められます。
2.自由度について
考え方1:こだわりは無い。2DoFでもいい
→軸が少なく、固定軸に荷重を持たせられるため、コストを抑えることが可能です。
しかし下記の理由により、車両の挙動を表現する場合にはぜひ3DoF以上をご一考いただくことを推奨致しております。
考え方2:定量的に動かしたい(=より高度な用途で使いたい)
→弊社がご説明の上、モーションをご購入いただいたお客様は100%、3DoF以上をご選択いただいております。理由は下記の通りです。
理由
①ピッチセンター(ピッチング中心)
2DoFの場合:ピッチセンターは制御不能(車両の運動を表現しきれない)
3DoFの場合:ピッチセンターは車両SIMの運動情報に基づき制御可能
②ロールセンター(ロール中心)
2DoFの場合:ロールセンターは制御不能(車両の運動を表現しきれない)
3DoFの場合:ロールセンターは車両SIMの運動情報に基づき制御可能
3.軸の数について
考え方1:1軸でも多い方がいい
→弊社でも、軸はいくらでも追加が可能です。ただし、その軸が「物理的意味を持ったどんな動きを」、「どれだけ定量的に」表現することができるか、設計の背景まで把握されることを推奨します。
考え方2:定量的に動かしたい
→設計意図が明確であり、定量的に制御が可能な機構を探してください。
例として、大手自動車メーカーの数億〜数十億掛けた大規模なDS(ドライビングシミュレーター)でよく用いられる水平2〜3DoFの上に6DoF(ヘキサポッド)を乗せる様な構造を挙げます。このタイプは9軸で構成されますが、運動は6DoFです。この場合に9軸を使う目的は、運動の応答性にあります。水平3DoFは低周波ながら大きなストロークが求められる運動を表現し、上部の6DoFは高周波ですがあまりストロークを求められない運動を表現します。この様に、設計意図は明確です。また、それぞれの機構が切り分けられており、シミュレーション上の演算データを基にそれぞれの動きを即時に割り付けられるため、定量的な制御が可能です。
4.モーションストロークについて
考え方1:ストロークは小さくてもいい
→パワーも抑えやすく、低コストでご提供しやすいです。ただし、「どんな道路を走るのか」はご一考いただくことを推奨致します。
考え方2:定量的に動かしたい
→競技車両は確かに足回りの動きが小さいですが、道路の勾配はいかがでしょうか。
弊社は、お客様が勾配への対応も必要とされる場合には、急勾配とされるベルギーSpaFrancorchampsのEauRougeを想定したシステムもご提供しております。
-EXCITECの想い-
弊社は固定の評論家や広告塔を設けておりません。
故に認知度が高まらない点もあるかと思いますが、「なんだか凄そう」といったイメージではなく、「何を考え」「何を実現したか」をご理解いただけたお客様にご導入いただき、しっかりとご活用いただくことをポリシーとしているためです。
そのため、創業からの3年間は車両開発職の皆様への支援業務(toB事業)を中心としてきましたが、技術に基づく確かな商品や経験をより多くの一般の方々にもご提供すべく、遅ればせながらtoC事業にも力を入れたいと考えております。
これまでも個人のお客様への販売や、企業様からtoC共同事業のお引き合いもいただいておりますが、共同開発も含め、toCへの展開をご一緒していただける事業者様は引き続き幅広く募集しております(今後の進展によっては募集中止となる可能性も御座います)。
また、弊社はモーションプラットフォーム以外にも、大型スクリーン・モビリティシミュレーション(他社様の運動演算ソフトとの連携も含む)・ソフトウェア開発支援・機械設計など、シミュレーションに限らず幅広い分野を内製でカバーすることが可能で御座います。
研究開発職の皆様におかれましても、是非一度お気軽にお問合せ頂けますと幸いです。
お問合せ先
Comments